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従来は、われわれ在野の法曹であってもどこか縦割りであって、例えば、「行政相談所とわれわれの扱う分野は違うのだから、連携してどうするのか」とか、あるいは「弁護士が事件欲しさにそんなことを言っているのと違うか」「そういうことは言うべきでない」とかの発想なども一部にあって、市民ニーズというか「市民の立場に立って」という発想が十分にまだ消化されていないと思う。したがって、やはり「市民の」というスタンスに立って「ニーズ」を受け止めていくという意味では、今、私が例として申し上げたような形での連携、どこかへ飛び込めば適切な機関に回してもらって何らかの処理、解決に到るという、そういう窓口を作っていくということが一番根本ではないかと思う。

窓口を多く作って切蹉琢磨するのも大事だけれども、最終的には、そういう連携があって「どこかへ飛び込めば何らかの解決につながる」というような観点から(われわれも日常的には、そういう具体的なイメージなしに何となく連携しているのであり、「行政相談所へ行きなさい」とか言ったりしているが)、われわれの間同士でも連携されなければいけないのではないかと思うわけである。

 

倉田薫(池田市長)

先程も申し上げたが、私は、日本の地方自治制度そのものに対して基本的には性善説に立っている。したがって、地方自治制度の中には、議会という監視機関と行政との両輪があって、監視という点では、議会が適正に監視していればそれで済んでしまう筈であり、私は、議会の監視機能あるいは政策立案機能というものに一つは期待をしたいと思っている。もう一つは、監査委員制度があるので住民監査請求ができるシステムになっている。

その上、いわゆる相談の窓口の総合化・統合化ということで、池田市では「なんでも相談課」を設置している。当然のことながら法律に関係することは弁護士会と、税金の話は税理士会と、あるいは不動産に関することは地元の不動産業者の協同組合とそれぞれ連携をとりながら行うこととしており、時には警察との連携、府との連携(「何でこんなことをわざわざ府に言って来なければいけないのか」と初めはそんなことがあったが、池田市役所の中に府民センターがあり、府の方にも「なんでも相談課」の業務が定着したので、そういった意味での連携)、国に関係あることは当然のことながら行政相談委員の方々との連携と、多種多様な連携方策を講じており、こいう点からいえば、極めて理想的に動いているのではないかと思っている。

「小動物を撤去してくれ」という相談からサラ金の相談に至るまで、ともかく相談を聞くという窓口が市の中にあれば、それなりに機能し、オンブズマンという制度に頼らなくても内部の浄化作用でいけるのではないかということから、まず、行政自らが自浄作用を発揮するための窓口を作らせていただいたと、こういうことである。

 

杉山克彦(前川崎市代表市民オンブズマン)

川崎市に市民オンブズマン制度が作られた趣旨は、今まであったいろいろな制度(監査委員制度とか、市民相談、行政相談等々のシステム)にとって代わろうという発想ではなく、こういった制度と相互に補完して全体の制度を活性化しようというものである。つまり、市民からみて、行政監視の方法はいくらあってもいい、重複して

 

 

 

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